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リーダーシップは全員に必要!伊賀泰代『採用基準』の考えるリーダーシップとは?

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こんにちはかじです。今回は伊賀泰代『採用基準』のブックレビュー!本文からの引用をかなり織り交ぜながら紹介します。

 

 

なぜ『採用基準』を読むことにしたか

  •  ネットでよくおすすめされていたから
  • タイトルが就活チックでささったから

先に言うと、『採用基準』は就活指南本では一切ありません。(マッキンゼー志望者を除く)就活の面接のノウハウなどが直接書いているわけではないです。

 

もし就活指南本を探しているのであれば、就活?コンサルタントの廣田さんの書いた『新卒採用基準ー面接官はここを見ている』を読めばいいと思います。特に志望業界のしぼり方や自己PRの決め方などがロジカルに要素を分解して凄くわかりやすく紹介されています。

 

 

 

 本書の目的

「これからの時代にグローバルビジネスの前線で求められるには、どのような資質をもった人なのか」という点、ならびに、「日本ではなぜそれらの資質が正しく理解されていないのか」という根本的な原因を究明することです。

 

結論からいうと これからの時代にグローバルビジネスの前線で求められるのはリーダーシップを持つ人で、なぜ日本においてリーダーシップが軽んじられていたかを日本人が抱くリーダーシップに対する誤解を絡ませながら語っています。

 

目次というか概要をざっと

  • 採用基準に関する誤解とは?
  • リーダシップとは?
  • リーダーシップの誤解とは?
  • リーダーの4つ役割とは?
最後編集後記に「編集者からマッキンゼーほめすぎでしょといわれた」って書かれていますが、伊賀泰代(ちきりん)のマッキンゼーに対する愛を感じます。
 
伊賀泰代さんの時代よりもグローバルプレゼンスが拡大した今のマッキンゼーはup or outなど素晴らしい文化のあるいい会社かもしれませんが雲の上の存在であり、一般人にはこの愛はあまり共感が生まれにくい(笑)
 
 

採用基準に関する誤解とは?

ケース面接に対する誤解

何よりも面接担当者が知りたいのは「その候補者がどれだけ考えることが好きなのか」、そして「どんな考え方をする人か」という点です。
 地頭がいい方が就活に有利だという意見に切り込んでいます。
 

分析が得意な人を求めているという誤解

最もインテリジェントだと思われているのは、処方箋を書くための、構築型の能力がある人です。
 
構築型の能力とは、「独自性があり、実現した時のインパクトが極めて大きな仮説を立てる能力」(仮説構築力)であり、「ゼロから、新しい提案の全体像を描く構想力や設計力」です
 
論理的思考力があるべきだといわれることに切り込んでいます。普段論文で仮説を立て実証することに慣れている理系院生などはこの仮説構築力高いのかもしれません。マッキンゼーBCGも理系院生の内定がほぼ半分以上とか聞きますしね。
 
また、新規事業を作る時に直面するような0→1のフェーズに直面する時に発揮する機会が多い能力かもしれません。そう考えるとクリエイティビティともいえるのかな?

 

 

リーダーシップに対する考え方

 リーダーシップは成果とリンクしている!

リーダーシップのある人は、「成果を出すこと」を「自説が採用されること」よりも優先します。

 

本来のリーダーとは、「チームの使命を達成するために、必要なことをやる人」です

 
成果を出すというと抽象的ですが、それはいわば目標を達成することと同義です。つまりリーダーシップを発揮できる人っていうのは目標を見て(目標をチームに共有するならなおよい)それを達成するために何をするべきか考え行動・意見を発信できる人ということになります。
 
 

リーダーは組織に1人いればいいわけじゃない

日本人の多くは「リーダーは、ひとつの組織に一人か二人いいもの」と考えています。
「リーダーは、ひとつの組織に一人か二人いいもの」というのは言い換えると、「ポジションが上の人が唯一のリーダーである」というもの。会社を例にすると、部長がリーダーでその他はフォロワー(リーダーでない)という関係が暗黙の了解で共有され、平社員がリーダーシップを発揮する機会を奪っているのです。
 

 

しかし、全員がリーダーシップをもつ組織は、一部の人だけがリーダーシップをもつ組織より、圧倒的に高い成果を出しやすいのです。
これは当然の話ですよね。1+1→3を作り出すにはこれの構成員(先ほどの数字における1)がリーダーシップを発揮しかつチームで何かしらのイノベーションを起こさないとならないのです。 
 
 

リーダーがなすべき四つのタスク

  • 目標を掲げる
  • 先頭を走る
  • 決める
  • 伝える

 

 

 リーダーとは、たとえば十分な情報が揃っていなくても、たとえ十分に検討する時間が足りていなくても、決めるべきに決めることができる人
上記は「決める」章より抜粋
 

「目標を掲げる」って意識うすかったな

「先頭を走る」「決める」「伝える」などは当然のものとして思えた一方で、「目標を掲げる」のだと章にかかれているを最初に目にしたときは、新鮮な感覚をもちました。きっと私の中であまり意識がなかったからでしょうね笑
 
リーダーってのは置かれた状況次第で誰にもなる機会があるけど、カリスマリーダーになれるかなれないかってきっと「目標を掲げているか否か」と深く関係するんじゃないかなと。
 
 

いろんな「伝え方」

「伝える」ということに関しては、歴史的名著であるD・カーネギーの『人を動かす』の方を読んだ方がわかると思います。(どちらかというとフォロワーを前提としたリーダーシップについてですが)
 
ネタバレすると、 重層感を持たしたり褒めたり期待したりすることが相手をモチベーションを高めたり、別の場面でいえば営業で商談を成功されやすくなると書いてあります。論を補強する例が海外であるため具体例はつまらないですがThesis statementははっきりしています。
 
 

私が今まで持っていたリーダー論

サーバントリーダーとトップダウンリーダー

私は今までリーダーとは、フォロワーとの関係を前提とした上に存在するものだと認識していました。
 
リーダー・フォロワーを前提としたリーダーには、主に2種類あります。
  • サーバントリーダー 
  • トップダウンリーダー
 
サーバントリーダーは奉仕型のリーダーシップを発揮し、いわばフォロワーに奉仕する、ミッション・ゴールを共有した上で支えることで組織の率いるリーダーです。 『サーバントリーダーシップ入門』はサーバントリーダーの考え方を紹介した代表的なビジネス書です。

一方トップダウンリーダーは、トップダウンという言葉から連想できるように強力なリーダーシップを発揮しフォロワーとしての部下を引っ張るリーダーです。
 
京セラの稲盛和夫などはビジネスマンとしてリーダーシップに優れトップダウンリーダーといえるのではないでしょうか? 『燃える闘魂』は稲盛和夫のビジネスへの考え方・向き合い方を紹介しています。
 

フォロワー・リーダーという考え方自体は否定しないし、大企業でも一般的な組織構造として定着しているとは思いますが、ちきりんのリーダーへの考え方は私の視野を広げました。
 
ちきりん曰く

 

なぜ日本では、リーダーが雑用係になってしまうのでしょう?
 
その理由は、日本人が「リーダーは組織に一人いればいい」と考えているからです。「一人のリーダーが、組織運営に必要なことを全てやるべきだ」と考えているから、リーダーは、本来求められる責務に加え、雑務に加え、雑用まで全てを担当させられるのです。
 
私も
今までフォロワーを前提としたリーダーがあるべきリーダー像と見ていた為か、 「リーダーは組織に一人いればいい」という思考にいつの間にか陥っている時があったような気がします。
 
 

大学のグループワークとかモチベ様々だから典型だよね

代表例を挙げるなら、
大学授業のグループワーク
グループワークにも互いの役割(リーダーなど)を決めるものもあれば決めないものもある。今回はリーダーを決めるグループワークということで。
 
勿論その授業に対するモチベーションの程度も大きく影響するのですが、興味関心が低い授業のグループワークでリーダーが別の人となると「リーダーは組織に一人いればいい」という思考から最終的にリーダーに一任することがありました。
 
大学一年生の時の情報基礎のグループワークなどは、大学2年生がグループに居たのでほぼ必然的に彼がリーダーになり、私は全くグループ内でリーダーシップを発揮することがなく、そのリーダーも授業に対するモチベーションも低かったのでチームビルディングは崩壊していました(笑)
 
なんだかんだ最終プレゼンはまとめ上げさほど悪くない評価だったのですが(笑)
 
勿論逆に私がリーダーになったことで、リーダーだから「任された」ということもあります。その場合は先ほどと立場を逆転し、私以外のグループメンバーが「リーダーは組織に一人いればいい」という思考に陥っていたと思います。
 
 

もはやリーダーシップって口にすることへのハードル下げようぜ

ちきりんの採用基準からの一番の学びは
  • リーダーシップは全員に必要であること
  • リーダーは組織に一人いればいいという考え方は間違っていること
です。(2つは同じ笑)
 
私自身の中でリーダー・リーダーシップに対する基準を高くしてしまっていたのです
典型的日本人の私がリーダーシップという言葉を聞いた時に、恐れ多く感じてしまうのです。
 
仮に誰か(私でもいい)が「リーダーシップを発揮した」と口にすれば本書に述べられているように、「自分の意見ばかり主張する強引な人」「他人の指示ばかりして、自分は手を動かさない人」といったネガティブなイメージをもたれがち。そしてそればリーダーシップという言葉を日常の中でつかうことを憚るようになるのではないか。
 
日本人のリーダーシップの概念は「特別なもの」、リーダーとは「特別な人」とあり、ハードルを上げすぎている気がしました。
 
今私にとってリーダーシップとはざっくりまとめると「人を巻き込み意思決定する力」と思っています。
 
この考えに基づくとするなら、友達誘ってパーティーしようというのもきっと「リーダーシップを発揮している」といえるのもかもしれない。そのくらい本来誰でも発揮したことがあるものでしょう。
 
自分が何かやりたいと思う、そしてそのやりたいことを周りの人とともに実現する。それだけでリーダーシップって言っていい気がします。基準を超下げるくらいしないと。
 
*余談
リーダーシップの定義で一番しっくりくる考え方を紹介します。それはさきほどちらっと紹介した廣田さんの著書『新卒採用基準ー面接官はここを見ている』にある、リーダーシップとは 「社会人基礎力」に挙げられている能力要素すべて持ち合わせて、初めて発揮される能力 という考えです。
 
社会人基礎力って?

  • 前に踏み出す力(アクション)…主体性・働きかけ力・実行力
  • 考え抜く力(シンキング)…課題発見力・計画力・創造力
  • チームで働く力(チームワーク)…発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力
 
経産省が元々定義した『社会人基礎力』。国からのお墨付きは強いぞ!
 
伊賀泰代(ちきりん)は本書で「ああ日本の政府がつくった社会人基礎力の中にリーダシップが入っていないじゃん。日本マジやべーぞ」と書いていましたが、リーダーシップが軽んじられたというより、廣田さんの考えのように12項目すべてがリーダーシップに必要だという意見のほうがしっくりきますね私としては。
 
 

本の学びを今後にどう活かすか?

リーダーは組織に一人いればいいという考えは完全に捨て、例えオフィシャルなリーダーが役職としていたとしても、
 

メンバー全員が「自分もまたこのチームのリーダーである。個別メンバーとして成果を出すことはもちろん、チーム全体の意見をまとめ上げ、チームとしての結束力を高めることもまた、自分の責務である」と意識する必要があります。リーダーと数人のフォロワーで構成されているチームよりも複数のリーダーで構成されているチームの方が遥かに生産性が高いのです。

こうあるべきですね! 

 

GDでリーダーシップとは?って問われそうだ!

その「採用基準」のリーダーシップ論の箇所を読み進めながら思い浮かべていたことがあります。
 
それは就活の「グループディスカッション」
 
通常グルーディスカッションでは、最初に役割(司会、書記、タイムキーパーなど)を決めるという話を聞きます。まだGDを体験したことがないので実態は掴めていません。
 
*後日談
GDで役割を決める必要はないと結論付けました。(書記は除く、自然な流れで書記は決まるべき)役割を表だって決めるGDはクソGDです。
 
 
日本人の発想に基づくとリーダーは司会であり、司会が終始議論をリードしメンバーの意見を最後に集約するものだという認識があります。私も、就活のグルーディスカッションにおける司会はいわゆるリーダーのように振る舞うことが求められるものではないかと予想しています。
 
ちきりんの考えるリーダーシップ論、皆がリーダーという考え方に触れてしまった私。「リーダーは組織に一人いればいい」という考えももつメンバーとグルーディスカッションをすることになった時、議論上で衝突が生まれるのではないかと不安です。
 
就活をしている同期からは「頭が悪い◯◯大の奴がグルーディスカッションで議論を引っ張ろうとしてGDクラッシャーになっててうざい」という話を聞いたりします。
 
やったことないのでわからないというのが本音です。グルーディスカッションを経てリーダーシップに対しての考えは変化したか否かといった事も出来たらまとめてみたいです。
 
 

まとめ

何度も言及しますが
この本からの学びは
「リーダーシップは全員に必要であること」(=リーダーは組織に一人いればいいという考え方は間違っている)です。
 
マッキンゼーの採用基準は正直参考になりません。常人がいける企業ではないですから。だから「採用基準」と如何にも就活を匂わすキーワードを使ってるが、就活指南書では一切ありません。しかしリーダーシップの考え方は非常に参考になりました
 
読み進めながら今までリーダーシップを発揮できていたかなど自身の経験と紐づけながら読むことができるため、ちきりんの指摘が胸に突き刺さったりするので印象に残る1冊になるはず。おすすめ!