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シンガポール旅行から感じたこと・考えたこと【文化・観光・言語・交通・都市政策】

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こんにちはかじです。

9月下旬の3日間のシンガポール旅行から、文化(インド・中国・日本の影響など)、観光都市としての魅力、効率と規制の国といわれる所以となった交通事情などについて述べたい。

 

目次

 

 

 

文化

シンガポールは以前、無関税の自由港という政策を実施し貿易で経済発展を遂げていったという。そしてこの魅力的な政策により、東南アジア、中国やインドなど周辺地域の国の人々がシンガポールに移住をし始めた。

 このシンガポールの歴史は今も名残がある。マレー半島の先端に位置する非常に小さいこの国家の中心地には、リトルインディアというインド文化やイスラム文化を感じる地域、チャイナタウンという中国文化を感じる地域がある。

 

今回は文化面ではインド(もしくはイスラム)の影響と中国の影響などで分類する。

 

 

インドの影響

 先ほど言及したように、シンガポールにはリトルインディアという歴史的地区がある。この地区ではインド人コミュニティが形成されており、ショッピングモールやレストランなどもインドを感じる。インドの主宗教であるヒンドゥー教の寺院もいくつか存在している。

 同時にイスラムの文化も感じることができる。リトルインディアだけでなくアラブストリートという周辺の地区には、2つの有名なモスクがある。アブドゥル・ガフール・モスクとサルタン・モスクだ。

 

リトルインディアというインド系の住民が多く住んでいると思われる地区にイスラム寺院があるのは正直驚いた。あまり宗教には詳しくないのでヒンドゥー教イスラム教の対立は表面的に起きないのかと適当に思った。

 実はアブドゥル・ガフール・モスクでは親切な(多少おせっかいな)アラブ人にイスラム文化について、このイスラム寺院について説明してもらった。近年ISのよりイスラム教に対する悪いイメージが形成されつつある中で、このアラブ人のイスラム教の本来の意味、人を敬うことを信条として大事としていることを伝えようとする姿勢には感銘を受けた。

 

その一方で一方的に自身の信条を伝えるあまり他人の感情を理解しようとする努力が見られなかった。早く帰りたがっているときに長話されたりすると、うんざりしてしまう。親切な人からおせっかいな人に変わった瞬間だ。

 

 

 中国の影響

 シンガポールにもチャイナタウンがある。

 

日本にも横浜、神戸、長崎に中華街があり、タイのバンコクにもチャイナタウンがあるのでこれでチャイナタウンにいくのは5度目だ。中国人のコミュニティは世界の至る所にあり中国の影響力の大きさを思い知る。

なぜチャイナタウンがあるか?これは先ほどのリトルインディアと同様で以前の自由貿易政策により中国系の移民がシンガポールに増えたことを起因とする。

 

このシンガポールのチャイナタウンでは普通に中華料理を頂くことができる。日本の中華街と比べてみると、シンガポールの中華街のほうが中国の雰囲気があまりないような気がする。中国に行ったことないので想像で語っているが。

 

ちなみにチャイナタウン以外にも中国の影響は強い。というか公用語のひとつが中国語である。リトルインディア地区にも中国風の建物があるしMRTなどの駅の表札は英語の下がだいたい中国語で書かれている。

 

今回シンガポール人としゃべる機会は皆無だったが街にはアジア系の顔立ちの人々が多くその多くが中国系であったのかもしれない。

 

 

 

観光

  シティーホール周辺と横浜が似すぎ!

 

 

 マーライオンとかマリーナベイサンズなどがあるシティの中心地にきた初めての感想は「あっ横浜!」

 

みなとみらいと雰囲気が非常に似ている。かすかな海の匂いを感じると懐かしくなってしまう。

シンガポールもみなとみらいも他の場所に比べてどちらも「つくられた」都市。みなみみらいに関して埋め立てなので完全にartificial city といえる。計算された都市構造や開放感や透明感を意識してつくられた建物の数々はまさにそっくり。

雰囲気もさることながら実際の観光名所もだんだんと横浜にあるものに置き換えたくなってきた。ではシンガポールのシティーホール周辺地区を見てみよう。

 

シンガポールフライヤーというシンガポール最大の観覧車は、横浜でいえばコスモワールドにある観覧車。

 

マーライオンの後ろにあるThe Fullerton Hotel Singaporeという超高級だと思われるホテルはエスプラネード・シアターズ・オンザベイのルーフトップから見るとまるで船のよう。あっこれはベイクォーター。

 

そしてシンガポールの観光名所で超高級ホテルであるマリーナベイサンズは、だんだんと3つのランドマークタワーに見えてきた!

そうなると上に乗っかっているインフィニティプールは何だ!?氷川丸か?ちょっと無理がありすぎるけど超平たくした氷川丸が3つのランドマークタワーの上に乗っかっているということにしよう。

 

マリーナベイサンズの下にあるバナナのような蓮のような建物はどうやらパシフィコ横浜に見える。

 

エスプラネード・シアターズ・オンザベイも何か横浜にある観光名所に置き換えられそうだけどなにも浮かばない(笑)このドリアンビルディングは卵の形をしているロンドンのティーホールにはある意味そっくりなんだけどね。

 

シンガポールには非常に親近感を抱いた。横浜同様に夜景も綺麗で観光客として訪れる分には最高の気分になる。

 

 

無料で楽しめる場所が多い!

 シンガポールは物価が高いと聞く。

 

物価が高くてケチったら何もシンガポールで見るところがなくなるのではないかという不安があったが、実際訪れてみて無料で楽しめる観光名所が多いという感想を抱いた。

 

まず一つ目は、ガーデンズバイザベイ!最近人気急上昇中の超巨大植物園である。ガーデンズバイザベイは基本的に無料で入園できる。(有料の場所もある)夜のライトアップは圧巻である。見渡す限り神秘的な光景が広がっているあのガーデンズバイザベイの夜の空間はシンガポールの夜景の中で一番好きである。

 

2つ目は、シンガポール植物園である。Singapore Botanic Garden。こちらは人工的につくれた植物園であるガーデンズバイザベイと違い、より自然のままの状態で手入れだけしっかり行き届いているような植物園である。あのマーライオンなどがある地区はいわば都会でずっといると疲れるかもしれないが、ここシンガポール植物園は憩いの場。疲れた心を癒すのにもってこい。

 

この2つは本来料金を徴収されるくらい価値があると思うので無料で入園できるのは素晴らしい。

 

あとは、夜景を含めた街並み。リトルインディアやアラブストリートを歩けばインド文化やイスラム文化を感じ楽しめるし、マーライオン・マリーナベイサンズ周辺の夜景はもちろんその場にいるだけで楽しめる。マーライオンからの水を飲む写真を撮れば完ぺきだ。

今回3日間で宿泊費や飛行機チケット代などを除き2万円を切ったのは無料で楽しめるスポットが多かったからだ。えー2万もかかったのー?って思った人にからくりを伝えると、実は初日の夜に5000円近い夕食をしている。

 

もちろん贅沢をするとお財布は悲鳴を上げるが、贅沢しないでもシンガポールは十分楽しめる。

 

 

言語

 複数言語が町中に表記されている!

 

 

国語がマレー語で、公用語が英語と中国語とタミル語である。この言語の多さはシンガポール多民族国家であることを示している。

 

先言及したように、MRTには英語表記と中国語表記が多い。バスに一回乗ったがバスの中の広告が英語・中国語・マレー語・インドネシア語?かな?4つの言語で書かれていた。さすがに1枚の広告に4つの言語を載せるのは憚れたのか、2枚の広告に分け2言語ずつ載っていた。他の国には見られない貴重な光景だったといえる。

 

 

そういえば、チャンギ国際空港の日本語表記の多さに驚いた。日本人はよくシンガポールに旅行しに来るのだろうか?

 

チャンギ国際空港からシンガポールの市内に向かうにつれて日本語の表記はすくなっていったのでなおさらチャンギ国際空港の日本語表記の多さは際立った。

 

 

シングリッシュとは

 そして気になっていたシングリッシュシンガポール英語)。正直移動もMRTを使っておりタイのようにタクシードライバーと会話する機会もなく、それ以外にもシンガポール人とも触れ合うことはなかったのでシングリッシュと英語の違いわからなかった

 

一般的にシングリッシュは英語と使用方法は同じだが英語以上に省略するといわれている。 「主語の省略」や「時制による動詞の変化がない」や「語尾にlaやmaをつける」などまさに中国語の特徴。

 

中国語を勉強していたのでシングリッシュの特徴を把握するのは容易だった。シングリッシュだけでなく、ジャングリッシュ(Japanese English)やタイグリッシュ?(Thai English)については以後別の記事を書いていきたいな。

 

 

交通 インフラ

 タイなど東南アジアのほとんどの国が交通渋滞に悩まされる中で、実はシンガポールは渋滞が全くない!バスやタクシーなどとともに自動車は走っているがそれほど多くない。

 

その理由はシンガポール政府による規制が背景としてあるよう。シンガポールでは交通渋滞などを避け効率的な交通環境を維持するために、自動車の税金は税率100%ほど課している。150万ほどの自動車も関税や物品サービス税などを加えると300万は超えるのだとか。これは間違いなく自動車購入者が減る(笑)

 

それに加えて、自動車を購入するためにシンガポール政府発行のCOE(新車購入権)を年2回行われる公開入札で入手しないといけない。入札だから取得希望者が多いと当然入札価格は上昇するなどし変動する。1600CC以下の車の場合はその価格は160万前後らしい(他の記事参照)。しかもこの入札したCDEの有効期限は10年間で10年後は再度入札に参加しないといけない。間違いなく自動車購入者減る(笑)

 

今までは自動車購入前の話だけど、シンガポールには自動車購入後にもどうやら交通渋滞緩和のための交通政策があるらしい。それはERP(Electronic Road Pricing )と呼ばれる車両規制のシステム。ピーク時の幹線道路や高速道路から自動的に料金を徴収するこのシステムは、自動車所有者が混雑していない道路を走るようにいわば誘導するしくみで大変素晴らしい。

 

いままでMRTなどの駅構内・車内への飲食禁止やポイ捨て禁止など(違反は多額の罰金が科される)シンガポールはいきすぎた規制を国民に敷いているという印象があったが、この交通政策は非常に効率的で他の国でもできるのであれば見習ってほしいと思った。

 

間違いなくトヨタは反発するけどね(笑)

 

 

では自動車が主要な移動手段じゃないとなると何を使うんじゃ?とのことだけど、これはMRT一択。MRTは最大で2シンガポールドル(140円ほど)しかかからない。最高かよ。

 

しかもその地下鉄は非常に効率的。駅間の距離に無駄が一切ない。

 

日本の地下鉄を考えてみると非常に無駄が多いうえに複雑。最寄り駅が3つとか存在するのは選択肢が多いという点でありがたいが乗り換えが複雑。僕は日本人だからまだ地下鉄はわかるけど外国人観光客にとって地下鉄の路線図はまさに迷路。

 

東京メトロはもうちょっと効率的な建設計画を進めることはできなかったのかな。でもこれ東京メトロが悪いというよりJR、東京メトロ京急東急東横線など様々な鉄道会社が東京首都圏に存在しているせいかも。

 

シンガポールの地下鉄の乗り換えはまさにロンドン地下鉄のよう。一つのラインに一つの色があり乗り換え時には色などを手掛かりにする。懐かしく感じた。

 

 

その他

  •  ポケモンgo やっている人が少ない?
  • Wi-Fiは他の東南アジア地域に比べ充実していたが、ブリスベンのように市内Wi-Fiはなかった気がする(知らなかっただけ?)

 

 

 まとめ

 「効率と規制の国」としてのシンガポールを十分に満喫したはず。交通事情はこのシンガポールの大きな特徴で、政府による規制を強化することで渋滞を緩和したり、効率的な交通環境をもたらしている。

 

また、シンガポールはインドや中国、マレーなど様々な文化が一国の中に垣間見ることができるのも大きな魅力であるだろう。

 

シンガポール旅行前はこの国にどのような人種が多く住んでいるとか全く分からない状態だった。正直旅行した後もシンガポール人をとらえきれていない。

 

中国系の顔立ちの人。韓国語をしゃべる人。頭にスカーフをしてマレー系だと思われる人。観光客とは思えない欧米系の人。シンガポールには様々な人種が共存していた。

 

シンガポールってどういう国か明確な答えがでないけど、おもしろいと思った。

 

 

観光面でいうとシンガポールは東南アジアらしくなくてつまらないという声をよく聞く。一概には言えないが、東南アジアを旅行するのが好きな人は欧米諸国にはない「不完全さ」を求める傾向にある気がする。いわばトゥクトゥクなどの交通機関ありきの交通環境(交通渋滞も含む)や、町の至る所にある屋台などなど。

そういう人にとって全てが整備されて洗練された雰囲気を醸し出しているシンガポールは決して面白い国だとはいえないのだろう。

 

でも僕はシンガポールが好きだ。正直に言うとラオスより好き。もともと横浜周辺に住んでいるというバイアスは大いに働いているが(笑)

 

東南アジアらしくないからこそ、シンガポールが東南アジアにあることが面白い。経済成長という点では他の東南アジアと同様の水準で成長しつつ、他の東南アジアにはない欧米諸国がもつような洗練された都市を持っている。

 

他のどの国よりも「未来」を強く感じる。ベトナムのように今経済などが急成長している一方で町が都市になるには数十年先だろうなといった漠然とした未来ではない。もっと具体的な未来。これが好きな理由だ。

 

移住したいかといわれるとまた別の話だが観光にはすごく最適な国。3日あればシンガポール全体の観光名所を網羅できるだろうし、光都市として都市計画が行われてきた背景もあるので間違いなく楽しめるでしょう。