私が「海外ビジネス武者修行プログラム」を通して学んだこと⑶ ビジネススキル・マインド
こんにちは!かじです。
今回は約1年前に参加していた海外ビジネス武者修行プログラムで最終的に何を学びとしたかについて。
当時私は語学学校のプロモーションチームでした。チームとしての目的は語学学校に入学するベトナム人の子供の集客をすることでした。
この2週間を経て学びとして3つ
- 新興国ベトナムでビジネスすることの難しさ・面白さを知る
- チームビルディングの難しさを知る
- ビジネススキル・マインドについて知る
もちろん他にも学びはありますがこの3つの中に集約させていきます。
今回はこの中で、 「ビジネススキル・マインド」について詳しく掘り下げる!
要旨としては
- PDCAを回しまくるートライ&エラー
- 考えと行動のバランスをとる
- 顧客が本質
- アイデアは発散から収縮へ
うえの3つには「現場の重要さ」が根底となっているように思われます
PDCAを回しまくる
まずPDCAとはなにか?
PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する
さくっととらえると、「トライ&エラーする」ということです。
とりあえず挑戦して、失敗したら、失敗した原因考えて、また挑戦する。ビジネスの現場、特にベンチャー企業でおかしいほど使いまわされるビジネス用語のような気がします。意味はいわばトライ&エラーなので、恋愛もPDCAを回せってのもいわばあてはまったりします。
この2週間でPDCAを回すことの大切さを身をもって理解しました。
もちろん最初はPDCAという用語を全く知らなかったです。ビジネスの商学部じゃないですしね。初めて「PDCAを回す」といわれたときも漠然過ぎて全くピンとこなかった気がします。
まあなので今回は実際のPDCAを回した例を参考にPDCAを回すとは?を紹介していきたいと思います。
この2週間でPDCAを回したケースは2パターンがあります。
- 現状の課題を探るために回したPDCA(マーケットリサーチ)
- 潜在ニーズを探るために回したPDCA
現状の課題を探るためにPDCAを回す
3日目まずベトナムの語学学校を巡る現状を探るべく以下の内容などを仮説検証としてアンケートを作成し、ベトナムのローカルの家庭に調査をしに出かけました。
仮説検証アンケート
「子供を英語の語学学校に通わせていますか?」
「(YESの場合)どこの語学学校に通わせていますか?」「(YESの場合)なぜその語学学校に通わせていますか?」「この語学学校を知っていますか?」「この語学学校を知ったきっかけは何ですか?」「この語学学校の長所・短所について何か思いますか?」
実際のビジネスでいうところの3C分析なるものを現場で行ったといえるでしょう。
- Company
語学学校の強みは何か?何を売りとしているか?何が本質的な課題か?
- Consumer/Customer
語学学校に対してどのようなイメージを持っているか?子供を通わせるのに肯定的か否定的か?
- Competitor
競合の語学学校はあるか?うちの語学学校と比べ競合の強み・弱みは何か?
正直これ自体をPDCAを回す(トライ&エラーする)というのは少し無理やりかもしれません。ただの現状を知るための調査ですから。ただベトナムの親はこう思っているはずだという仮説をまず立て、それを実証するためのプランを立て、アンケートを作成し、アンケートを受けた結果を見てベトナムの現状を分析する。
アンケートをとる→前のアンケートの結果を踏まえ次のアンケートをとるという過程はダイナミックさに欠けるもののまさにPDCAを回している瞬間だったのではないでしょうか?
せっかくなのでこの現場検証を経て感じた現状の課題をのせておきます。
語学学校の生徒数が少ないという問題に2つのタイプの人たちがカギを握っているとなりました。
- 語学学校の存在を知らない人
- 存在は知っているが値段がネックとなっている人
ここから導き出される課題とは2つ
MLBの認知度が他の語学学校に比べて低い
→営業が弱い
入塾に対するハードルが高い
→お金に見合う価値があるかローカルベトナム人は不安
潜在ニーズを探るためにPDCAを回す
3日以前にも少しかぶりましたが現状の課題を踏まえたうえで私たちが考えたプランは実行に移すことが可能かどうかを探るためにPDCAを回しました(トライ&エラーをしました)
仮説検証として考えたプランをざっとあげてみます。
このひとつひとつがベトナム人の潜在ニーズと合っているかをアンケート・実際の営業活動を通して調査しました。
仮説検証「3日以内に無料レッスンを申し込んでその無料レッスン後に入学すると20%オフといった入がう割引キャンペーンをする」
河合塾・駿台などの日本の塾を先進事例としたプラン。
「語学学校に入学するさいに何を求めますか?」を調査をしました。
その結果、フリートライアルが有効。ディスカウントは有効でないと分かりました。
仮説検証「フライヤー(チラシ)とともに消しゴムやティッシュ・鉛筆を配布する」
これも四谷や代々木ゼミナールなど日本の塾が高校の前でよく宣言する方法を先進事例としたプラン
その結果、有効でないと分かりました。
仮説検証「チラシをもっと見やすくする」
現状のチラシは情報が多すぎ・何を伝えたいかわからないことに目を付けアンケートをした結果、チラシを変えることは有効だと分かりました。ただ2週間という短期間であることとコスト面で厳しかったのであきらめました。
仮説検証「ランタンを子供たち主体で作るイベントを企画する」
地域の子供たちにランタンなどを MLB の前での装飾するイベントに参加してもらうという趣旨です( with 先生や親子)
「このようなイベントを企画した場合は興味があるか?」をアンケートを取った結果、多くのベトナム人はイベントには興味がないことがわかりました。
仮説検証「パーティーをしてフリートライアルを勧誘する」
上と同様となりました。
仮説検証「+αで着ぐるみを着て営業する」
語学学校には侍キャットという彦根市のひこにゃんをまるパクリしたゆるキャラがいるのですが(笑)、これをきて語学学校の宣伝活動をするのは効果的かを、実際に着ぐるみを着て検証しました。
結果、フライヤー配布時に着ぐるみを着るのは有効とわかりました。
仮説検証「+αとしてフリートライアル特典としてお菓子を用意する」
以前のフリートライアルが有効とでた仮説検証を活かしたうえで、フリートライアルにお菓子という+αは効果的か実際に営業活動をし調査しました。
結果、フリートライアルに子供を集めるのにお菓子は有効だとわかりました。
仮説検証「小学校前に放課後に出待ちしてフライヤーを配る」
ベトナムの送り迎えの文化を活かし、放課後になる4時に校門前に出待ちしフライヤーを配布する・写真を撮るのは効果的か検証しました。
これはさまざまな小学校にて試しました。むしろ後半は着ぐるみを着て校門前で営業をする以外のことをしていないような気もします。
超効果的でした。
最終的にはこの仮説検証がプランに
どれもベトナム人の潜在ニーズの核心を突いたプランを考えられず超焦っていたのですが、最終的にはこの仮説検証を繰り返したことがプランとなりました。わかりやすい形でいうと、仮説検証を繰り返す中で効果的・効果的じゃないとわかったことを一種の営業戦略としてプランとしました。
営業戦略がプラン?私も最初パッとしなかったので、「モノ」というわかりやすい指標で表現するとすれば、営業マップなるものを考え付きました。
どの地域にどの時間に営業するかが効果的か、どのように営業するのが効果的かといった営業のノウハウをマップという「モノ」にまとめるとともに、まとめきれないものはsales manual という形で書き記しました。
それが仮説検証それ自体がビジネスプランになったといういった意味です。
PDCAを回したこと自体がプランを作り出したといっても過言ではないため、PDCAを回すこと(トライ&エラーをくりかえすこと)の重要さをかみしめています。
考えと行動のバランスをとる
この考えと行動のバランスをとるというのは、もちろん私たちのPDCAを回した経験とも密接に紐づいている学びです。
being ⇔ doing
どちらにいるか見極める必要があり、beingによりすぎていればdoingを意識的にもってくることが求められるし、doingに寄りすぎていればbeingになることが求めされるのです。
ネットの情報から考えるだけじゃ本質に迫れていない
ビジネスにおいて考えることは大切です。
「自社の強みは何か」
「自社の弱みは何か」「競合の強みは何か」「競合の弱みは何か」「ベトナムの教育事情は何か」「ベトナム人の性格はどういったものか」
インターネットで「ベトナム 教育事情」と検索して情報を得るのは一番手っ取り早い方法です。Googleさんは優秀ですから検索した人に有益な情報を瞬時にくみ取り提供してくれることでしょう。
これを踏まえて自分たちの企業、この場合は語学学校の課題を考えたり、ビジネスプランを考えるのは大事です。
でもそれだけじゃ本質に迫れていない。本当の課題は見つからないし、課題も本質にせまっていないからプランも課題を解決するのにベストなものではなくなってしまうでしょう。
PDCAをまわすの話でも述べましたが、徹底的に現場を歩き回りベトナム人と話を聞くことで実際に生の声を拾い上げることができる現場の大切さ、考えと行動のバランスをとることの大切さを思い知りました。
USJ復活の裏にも徹底した現場主義
USJ躍進の立役者、森岡毅さんも、USJが低迷していた時に毎日現場を見て回ることで最終的に何が問題かを見抜いて改革し、最終的にV字回復をさせました。
この話をテレビで聞いたときには、CEOなる立場のポジションについている人でも現場を見て考えるのかと度肝を抜かれたような気がします。普通の人とは違う、成功しているビジネスパーソンは一線を画している大事な考え方を持っていると学びました。
学びが活きた出来事
そして面白いのでこの考えと行動のバランス、現場を見ることの重要性などこのプログラムでの学びのを他の機会に生かした話を挙げます(笑)
去年、とある先輩の鉄道会社の最終プレゼンを控えた数日前に、案があればという形で私自身戦力になる気はありませんが家にいき、一緒にその鉄道会社の利益を上げる新規事業を考える機会がありました。
新規事業を考えプレゼンする場合は、現状の課題→課題を解決する新規事業の提案→提案内容→提案の根拠などといったフレームワークが効果的ですが、まず最初は現状の課題を見つけなければいけません。
このときまだその鉄道会社の電車のってことないという話を聞いて「それ乗って小田原あたりでも行けばいいんじゃないですかね?(笑) まずは見ること大切ですよ」なんて言った記憶が強く残っています。鉄道会社は推測してください(笑)
この現場を見るべきってことを思いついたのは無意識で、なぜ大切かを説明する際に意識的にこのプログラムの学びと重ね合わせていたように思います。
小さな出来事ですが、学びが生かされているなと強く実感する機会ですごく嬉しくなりました。
顧客が本質
顧客が本質というのは、もちろん私たちのPDCAを回した経験とも密接に紐づいている学びです。
皆の中に答えはない。お客さんの中に答えがある
期間中ファシリテーターにいわれた言葉です。
ぶっちゃけると顧客が一番というのはビジネスの基本ということはいわれる前から知っています。以前某ハウジングの短期インターンに参加した際も、顧客の潜在ニーズを引き出すのが提案営業において凄く大切だという学び、いまでも覚えています。
ただ「顧客のために」を頭で認識していても、外部要因にとってときどき顧客が忘れ去られる場合があります。今回でいう外部要因とは、それぞれのメンバーが抱いている目的ともかかわる部分でしょう。
私の場合なら、成果を出したいという思いが明らか強かったし、ときどき強すぎました。同様にタームメンバーにもプランに関して個人の私欲はまじっていたと推測はします。
成果を出したいと思いが強すぎると、顧客にとっての価値が捨て去られてしまうこともある気がします。上の言葉に置き換えるなら、答えは私の「成果を出したいという思い」の中から見つけようとして、お客さんの中に答えがあることを無視してしまうといった感じでしょうか
「お客さんが本質」というのは、現場の重要さとも大いに関連します。
お客さんの答えは、未来のお客さんと実際に会い話すことでしかわからないことですから。
この2週間、そのビジネスは顧客にどのような価値を提供するかをずっと考えて考え抜いて、考え抜きまくって前よりも染みつきました(笑)
アイデアは発散から収縮へ
これは現場の大切さと密接に関連したうえの3つの学びとは少し性質が異なるものかもしれません。
「新規事業を考える」というのは一種のテーマであるため、アイデアだしのコツを教わることも多かったし、どのようにアイデアを生み出すかについて実践する中で身についたことも多かったですね。
地曳網式思考でとりあえずアイデアを出しまくる
これは2週間がはじめるまえの研修時に言われたことで、私が今まで完全にできていなかった分超印象に残りました。
さくっというと、
とりあえずいいアイデアか悪いアイデアかはおいて、思い浮かんだアイデアをアウトプットしましょうぜ!というアイデアのブレインストーミング法です。
今までアイデアを出しますとなったとき、浮かんだアイデアを自分の頭の中で「これは〇〇の観点から厳しいな」「これはさすがに頭おかしすぎるわw」とか取捨選択して、アウトプットは洗練されたアイデアを出すことを心がけていました。
これ何がまずいかというと、現実的なアイデアしか浮かばずイノベーティブなアイデアが生まれる機会を捨て去っているんですよね。もし地引網式思考のように何でもいいからアイデアを出した場合、アイデア×アイデアとアイデアがかみあわさってイノベーティブなアイデアが生まれる可能性が高いのです。
まずはアイデアは自分の中で収縮されるのではなく、発散して、それからチームで取り組んでいるならチームの中で取捨選択し収縮していくことが重要だと強く実感しました。
実際にプランに関して+αをくわえるにはどうすればいいかについてアイデアを出し合ったときにでたアイデアをざっと書いてみます。
この+αというのは、ビジネスにおける付加価値と捉えてください。よく商品に「長野県の人気NO1の○○」といったことが書いてあるのが目につきますが、あれも購買行動を促進する+αのしくみです。「顧客満足度5年連続No1のアヒルの保険会社」にもあるし、至る所で使われています。
- 営業する人の服装を考える
- 決め台詞をする
- 一発芸 ベトナム語
- 私はベトナム語を話せませんという T シャツ
- 英語の早口言葉を話す
- サッカーのユニフォーム
- 4 コマ漫画
- 侍キャット VS 侍キャット
- 曲を歌う
- 侍キャットフラッシュモブ
はっきり言ってコスト面から明らか無理なアイデアとか多すぎるんですが(笑)、アイデアだしにおいて大事なのはこれなんだと強く実感しました。
もはやただ面白いだけやん(笑)ってのしかなくて、ただただ楽しいだけでした笑
アイデア含めコミュニケーションは Yes and
アイデアを最初に発散することは、アイデアのシナジー効果を生み出すことが可能性があるのが強みだといいましたが、チームビルディング、チーム内の円滑なコミュニケーションを促進するためにも大事な考え方ではないのかと思っています。
Yes and というアイデアのプレインストーミングをやる機会がありました。
相手の言ったことにまずyes といいそれに自分の意見をつけるということ
例を出すと
営業しているときにベトナム語で一発芸すればベトナムの子供たちの中で流行るんじゃね?!
いいねそれ(YES)それに、一発芸の中に日本っぽい何かを入れられたら面白いよね!
といったようなもの。
この考えの反対が
yes but
例を示すと
営業しているときにベトナム語で一発芸すればベトナムの子供たちの中で流行るんじゃね?
うーん…(NO)それ私たちがベトナムから帰った後にやる人いないし、事業の持続性ないよね?だめだと思うよ!
YES AND はアイデアが発散していきますね。一方でYES BUTはアイデアが収縮していく上にチームビルディングが段々悪くなっていくような気がします。
YES BUTが陥りやすいと考えるスパイラルとしては、このあとあまりベストだと思われるアイデア以外をだすことは各メンバーが控えるようになってしまいアイデアにブレイクスルーが生まれなくなるはず。
まとめ
- PDCAを回しまくるートライ&エラー
- 考えと行動のバランスをとる
- 顧客が本質
- アイデアは発散から収縮へ
ビジネススキル・マインドに関しては以上のような点が特に学びとして印象に残っています。
もちろんそれ以外にもプレゼンテーションスキル・英語スキルや他のビジネスマインドだったり得たものもありますが割愛します。
この学び、特にPDCAを回すことの大切さとアイデアのブレインストーミング法は、今後あるサマーインターン時などチームで何か新規事業を考える・課題を解決するといった際に役に立つと信じています。
ではまた~!