私が「海外ビジネス武者修行プログラム」を通して学んだこと⑴ 新興国でのビジネスの難しさと面白さ
こんにちは!かじです。
今回は約1年前に参加していた海外ビジネス武者修行プログラムで最終的に何を学びとしたかについて。
当時私は語学学校のプロモーションチームでした。チームとしての目的は語学学校に入学するベトナム人の子供の集客をすることでした。
この2週間を経て学びとして3つ
- 新興国ベトナムでビジネスすることの難しさ・面白さを知る
- チームビルディングの難しさを知る
- ビジネススキル・マインドについて知る
もちろん他にも学びはありますがこの3つの中に集約させていきます。
今回はこの中で、「新興国ベトナムでビジネスをすることの難しさと面白さ」について詳しく掘り下げる!
要旨としては
多くのベトナム人に英語が通じないという言語的環境と、ベトナムが社会主義国ゆえにうまれるビジネスの参入障壁をもつ教育環境から新興国ベトナムでビジネスをすることが難しいことを実感しつつも、その困難な状況に直面すること自体面白く、それを試行錯誤の中でよくしていくという0→1のプロセスが新興国ビジネスの魅力だと思いました。また考えたビジネスを実行すると爆発的に効果があったりするなど、基盤がないからこそ変化が大きいことも面白いと感じました。
実感した難しさ
社会主義の教育環境がビジネスを妨げる!
サクッとまとめます。
当初「語学学校の入学割引キャンペーンをし小学校・中学校に売り込む」というプランを考えました。日本でいうと河合塾が「いまだけキャンペーンにつき入塾費タダ!3/31まで。お申し込みはお急ぎを」といったPRです。
ただ社会主義国ベトナムではビジネス(PR活動)を学校に持ち込むことが受け入れられず失敗したということですね。
政府の規制が厳しい
ベトナムは社会主義国としてどのような特徴があるのでしょうか?
ベトナムに限らずですが、社会主義国は政府の規制が厳しい!
政府の規制として一番イメージがわくのは、ネット規制でしょうか?社会主義国とほぼ同義としてとらえれている共産主義国の中国ではFacebook、Twitterなどが使用禁止されているように、ベトナムにも同様の規制があります。
ホイアンに着いて知ったんですが、ベトナムではTwitterが使えませんでした。政府の規制だと思います。ただDNSを8.8.8.8にすれば市内Wi-FiでTwitterつながったし、6か月後再びベトナムを訪れたときには使える瞬間があった気がしますが。
ネット規制と同様のことがベトナムの教育環境にもいえます。
社会主義国ベトナムでは、学校は完全に国が掌握しています。小学校も中学校も政府管轄下の元、政府が考える教育方針に基づき教育をおこなっています。
1960年代のアメリカも介入したベトナム戦争時にアメリカ側と中国・ソ連側に南北が分断されたという歴史があることからいまはベトナム全土で一貫した教育を行うように政府も心がけているのでしょうね。
これだけ聞くと日本でも文部科学省が教育方針を考えているし愛国心を高める教育は中国や韓国でもおこなわれているのであまりにも普通のことと思うかもしれませんが、実はそうでもないのです。
というと
国が掌握している小学校・中学校にビジネスが介入することを受け入れられません。
例を挙げていうと、いま日本の教育現場ではリクルートが事業をしているスタディアプリを使った教育がおこなわれています。神奈川県で最も導入が進んでいる茅ヶ崎西浜高校では、高校での先生による授業を中心にしたうえで、宿題など生徒の習熟度を補うためにいわば民間が開発したサービスを利用しているのです。
これはベトナムでは絶対できません。いくら教育の質が向上するからといってもスタディアプリは絶対導入されないでしょう。
しかも河合塾が高校にPRしていたようなこともできない為、当然「語学学校入学割引キャンペーンを学校で告知」というプランは受け入れられませんでした。
国の教育を否定するからダメ
なぜだめなのか?
学校に語学学校がPRしにいくと、学校が教えていることが不完全であると認めていることにつながるとのこと。だからもし語学学校が学校にPRすることを学校の先生が認めた場合、「うちの学校はちゃんとできていない」ということをしめすみたい。
なぜビジネスライクな民間を介入させることが学校が教えることを不完全であると認めることにつながるのか?
一度ここまで深くきかれたことがありますが、はっきりした理由は私たち資本主義の日本とは違う社会主義としての側面が大きいのです。
簡単にいうと、「メンツがつぶれる」からでしょう。
私たちにはあまりピンとこないですが、これ以上は社会主義国ならではなんでしょうね。
学んだこと
その国の価値観や文化・習慣を理解することがビジネスをするうえで何よりも大切
日本でビジネスをする場合は当たり前のこととして無意識に捉えていますが、海外、それも新興国として絶賛発展中のベトナムではまず「その国について知る」ことを強く心がける必要があるよう
ざっと
面白いベトナム事情とニーズなどでいうとこれ
- 社会主義で民間は国が掌握する学校に介入できず
- ベトナム人は朝夕と子供を送り迎えする文化がある
- 最近放課後に語学学校などで英語を習わせる家庭が急増中
2番目の送り迎えの文化などは、バイクの交通量が多すぎて幼少の子供には危険すぎるというベトナムならではの事情がありそう。ちなみにタイも送り迎え文化あり。日本はというと...私は小学校で送り迎えてもらったことまーじでないっす(笑)
これらの事情を考慮したうえでビジネスプランを考えないといけませんでしたね。ちなみにこれらは実際に街を歩く・街の人に聞くなどしないとわからないもの!課題を見つけるには「まず街に出る」のだ
ベトナム人の乏しい英語力がビジネスを難しくする
サクッとまとめます
非英語圏であるベトナムでは現地人が英語が喋れない為、語学学校の集客に関する課題やベトナム人のニーズを探るマーケット調査の際に、ベトナム人スタッフを同行してもらうなどせねばコミュニケーションができず苦労しました。
しかし、翻訳を自分たちでおこなったうえでベトナム人スタッフなしで調査・営業をおこなってもうまくいくことが途中からわかり、英語ができないという言語的環境は工夫で容易で克服できることを知りました。
ベトナム人、英語ができない!
2016年にスイス本部におく国際機関EF educationの調査によると、ベトナムの英語力は非英語圏72か国中31位だったそう。ちなみに日本は35位で、日本と同じ英語力といえばわかりやすいよね?
つまり、町のいるひとは英語が喋れないのです。
貧困層が暮らす地域だとなおさら教育自体を受けていない者もいたり。
そのような言語環境の中で私たちは英語の語学学校にベトナム人の生徒を増やすというミッションを達成しないといけませんでした。
「このベトナム語学学校を知っていますか」という知名度を探る調査、「子供を語学学校にいかせていますか?いかせているなら理由は何ですか?いかせていないなら理由は何ですか?」といったような語学学校のニーズを探る調査など2週間の前半はマーケット調査が中心で、ベトナム人スタッフがいたため同行してもらい、聞いた話から語学学校の課題や目指すべき解決策などを考えたりしました。
町に住むベトナム人はベトナム語しか話すことができないため、英語と日本語しかあつかえない私たちには介入するのは厳しいので仕方ないと思っていたし、実際ベトナム人スタッフが聞くことでかなりベトナム人が潜在的に教育に対して感じている考えなどを引き出せたのも事実。
しかしベトナム人スタッフが限られていることに加え、チーム3人いるのにベトナム人スタッフ依存の体制では非効率的で人を活かしきれていないというのもあり途中から、自力で行うことを決意!
google 翻訳、もしくはスタッフの翻訳でアンケート用紙をつくり、現地のベトナム人に配布しその場で記入してもらうという方式をとりました。潜在的ニーズを探るには適した策とはいえないけど、この方法は全てを考慮したうえでベストでしたね。
もちろん何かベトナム語で質問されても何言っているかわからないし、こっちも相手が理解できないの承知で英語で「こういうアンケートなんです」と伝えてみたりやボディランゲージで伝えてみたり。
学ぶこと
英語は本質じゃない
英語が通じない非英語圏では、英語ができないのはビジネスをするうえで大きな障壁になりました。
もしいま留学中のタイを例にすると、英語が話せない日本人社員しかいない会社はローカルのタイ人をターゲットに事業をするのは難しいでしょう。
ただ本質じゃない。つまり「英語ができないからビジネスができない」ということは一切ない!英語の価値を改めて考えた瞬間でした。
実感した面白さ
困難が多くてチャレンジング!
ビジネスプランを0から考案して仮説検証を繰り返し実行まで行うという0→1のフェーズを体験することができるため、最初はどうすればいいのか具体的に何もつかめていない状態からスタートし、
自らベトナム人にアンケートし潜在的なニーズを調査したりファシリテーターのアドバイスをもらいながら、徐々にターゲット層を決めプランを考えていきます。
そこにさきほど言及したような新興国だからこそのビジネスの難しさ(政府による規制や英語ができない)などが加わり困難な状況に直面するのですが、むしろそれがチャレンジングでやりがいがあり、おもしろいと思いました。
当時は全くわかっていなかったのですが、0→1のフェーズにみえるような困難な状況に直面しその中で最善な策を探っていくこと自体が好きみたい!
変化が大きい!
また考えたビジネスを実行すると爆発的に効果があったりするなど、基盤がないからこそ変化が大きいことも面白いと感じました。
もともと競合が少ないことと「だれもやったことないこと」がそこら中に転がっているからなのでしょうね?日本でもし起業しようと思ったら、基本的に昔誰かがやっていることだろうし爆発的に流行るって少ない気がします。
もしかしたら、当時考えた営業でその語学学校の生徒が急増しすぎて競合がつぶれるかもしれないし、逆に影向につぶされることだってあるかもしれない。新興国に限らない話だが新興国ではこの移り変わりがもっと激しい!何もないからこそリスクとリターンでがらっと状況が一転するのです。
とりあえず6か月後訪れたときつぶれていなくてよかったです(笑)
まとめ
難しさとして
- 社会主義国の教育事情として、「政府の規制が厳しい」
- 非英語圏の言語事情として、「英語がしゃべれない」
面白さとして
- 困難極めチャレンジング
- 変化が大きい
ことを主に書きました。
あとの2つの学びは次回ということで!
ではでは